価格競争

2012年4月25日

私の顧客は全て中小零細企業ですが、価格競争についての相談がよくあります。

この場合の価格競争の意味は殆どが値引き競争のことです。値引き競争は現在のコストはそのままにして利益を削る競争のことです。当然、体力があるほうが有利に決まっていますから、勝負は初めから明らかです。中小零細企業に勝ち目はありませんから、規模が大きな相手とはさすがに戦うことは少ないようです。
ところが同じ中小零細企業だと価格競争の土俵に上がり、結果的に参加者全体がダメージを受ける不毛の戦いを続けてしまいます。

価格競争とは本来、技術革新の競争のことでしょう。様々な分野の革新によって生産体制も変わり、大きくコストを下げ、利益が確保されて、しかも販売価格の引き下げが起きることです。

その意味では人件費が安い国で生産するのは一部分の変化にしかならず、中小零細企業が取れる対策にはなりません。その国の人件費が上がれば、他に移動することになりますが、それを実行するほどの体力はもともとありません。

近年、リストラと称して人件費カットや、解雇によって利益を上げる手法が横行しましたが、これもまた間違った経営手法といえます。そこには革新ということがないからです。本来のリストラは再構築ですが、それをせずに、本当の改革や革新を積み重ねず、値引き競争に巻き込まれたり、時代の要請に応えることができず、最終的に人に手をつけたものです。

技術革新は経営が長く続くための条件です。100年企業が世界で最も多い日本が、間違った経営手法を導入した結果、混乱しているのでしょう。

利益を削る競争など企業にとっても社会にとっても、何の役にも立たないのです。そんな努力は無駄なことです。エネルギーのロスと考えるべきでしょう。

月刊致知

2012年4月13日

月刊致知の研究会を開いています。この月刊誌は人間学が中心になっているため、毎回の話し合いは人間の生き方に焦点が定まって行きます。
その話題の中心は、どの掲載記事からも読み取れるのが、日本人の精神の劣化が進んでいることに行き着きます。
もちろん、教育の問題があげられますが、学校教育、家庭教育、社会教育、会社での社会人教育など多方面に関係しています。

戦後66年を経過して、その劣化に気づき始めた人達が周りにも数多くいます。
その思想の中心にこの月刊致知があります。日本人のDNAを掘り起こす役目をしているように感じます。

考え方の癖もまた、いつしか原因を他者に求めるようになってしまいました。
経営者なら経営環境のせいにする、デフレのせいだと言う、公共工事が削減されたからだと考えてしまう、政治が混乱しているからだと思う、海外生産による価格競争に勝てないからだと思い込んでしまう。

この考え方の習慣こそが問題ですね。そのように習慣化してしまったのが私達です。もうこの習慣を乗り越える時期でしょう。そうしなければ若い人達の針路を妨げてしまうことになります。私達自身が将来を間違ってしまうことになります。

致知4月号に石井美恵子さんのインタビュー記事があります。
「平時にできないことは非常時にもできない」
この救急看護の専門家の姿勢に学ぶことがありました。

「・・・・非常時においては、普段やっていないことがいきなりできることはまずありません。・・・・ 」

経営でも全く同じ事が起きます。
普段からお客の事を考えていなければ、赤字だからといって、突然、良い経営ができることはありません。
経営はお客を作ることが全てだからです。
普段からお客と正面から向き合っているかどうかが全てだからです。

桜の生命力

2012年4月3日

桜吹雪

四月に入って一斉に桜が開花した。今年は満開になるのが早そうだと思った3日、朝から強い風で、時々雨交じりの荒れ模様になった。
各地から大型トラックが横倒しになったり、新幹線が止まったりのニュースが
入ってきた。博多駅も帰宅時間を迎えた電車のダイヤが乱れ、行列ができていた。
私もどうにか家にたどり着いたが、途中に大きな桜の木がある。
もう七分咲きだから、残念な思いで見ると、全くそのままの姿で咲き誇っている。盛りを迎えるまでのそのエネルギーはとても強く、凄い生命力だ。

毎年、桜は四月の青空に向かって、枝という枝にビッシリと盛り上がって、
花で覆われて満開を迎える。うきうきと気分を高揚させていく。
やがて最高潮に達した時、柔らかな春の風に、一斉に桜吹雪になっていく。

力の限りを尽くす。桜が散るのは、与えられたエネルギーを使い切った時なのだ。その生き切った姿こそが一瞬の桜吹雪なのだ。

桜の花は見かけほど弱くないことを初めて知った。