シェア

2012年5月30日

シェアが高くなると、どのようなことが起きるのだろうか。

それは経営がやりやすくなるのだ。
シェアが高くなると、当然認知度が上がる。認知度が上がると販売活動がしやすくなる。つまり売り上げが増えることに直結している。売り上げが増えると利益も増える。そしてその利益は同業者の2倍も3倍にもなることが分かっている。

この一連のことの検証も、そのための組み立て方も、ランチェスター経営(株)の竹田陽一先生が長年にわたって、社会に伝えてこられたので、多くの経営者が理解している。

ところが時々、間違った取り組み方をする経営者が出てくる。企業の大小を問わず、とんでもないことが行われている。

シェアを取るために、利益を度返しして乱売する。当然、シェア自体は高くなるが、同時に利益はどんどん減っていく。経営が悪化してく。それは架空売り上げに走るダメセールスと同じだ。ところが大企業でも、これと同じことをする。

シェアを上げるためには、商品力を上げる必要がある。客層も十分に検討しなければならない。もちろん地域に浸透するための活動も欠かせない。
そのための教育も必要なら、人員の配置も投入も考えなければならない。
様々な技術革新によってコストを下げ、十分な利益を確保することが欠かせない。時代を超えて、環境の激変にも耐えて、追及するものだ。

地に足がついてなければならない。企業の成長は成熟と一体のものでもある。経営者の価値観があますところなく表現されるものだ。

シェアとは経営の総合力の評価に他ならない。つまるところ、シェアは経営を、それぞれの立ち位置で極めることなのだ。一朝一夕にできないものなのだ。

だからこそ、シェアの価値があるのだ。

読書百遍

2012年5月17日

致知研究会

毎週、朝8時から1時間、月刊致知の研究会を開催している。
今朝は「一筋の道を歩む」で刀匠であり刀剣界の頂点に立つ宮入法廣さんと、アサヒビール名誉顧問で宮入さんを支援する中条高徳さんの対談記事だ。
読み込むほど引き込まれていった。その仕事に対する厳しさに圧倒される。
この世界も最低10年の修業が必要だそうだ。しかも伝統技術は徒弟制度によってしか継承は無理だと言い切っておられる。宮大工の西岡常一棟梁も同じことを書き残されている。
何かを創り上げるには10年という時間が必要だったということは、奇跡のリンゴで有名になった自然栽培の木村さんも、開墾困難な山を理想郷のような牧場に創り上げた斉藤牧場の斉藤さんも同じことを言われていたのを思い出した。

致知は月刊誌だからそれほど頁数はないし、対談やインタビュー記事が中心なので、読むのには時間がかからない。

ところが読んでも上辺だけで素通りしてしまう時がよくある。この記事もそうだった。研究会では、一つの記事を取り上げて話し合うから、読み込まなければならない。読書百遍意自ずから通ずというから、必要なものは最低3回読み返すことにしているが、今回はそれが功を奏した。

昨日までその内容が頭に入っていなかった。今朝はこの記事を読むことを最優先
にして朝の日課を始めた。結局、この対談に引き込まれて時間が経つのも分からなくなった。

経営が変化してきた

2012年5月15日

「日本で一番大切にしたい会社」などの著書を出版された坂本光司教授によって、中小企業のあるべき姿が取り上げられるようになった。坂本教授の功績は40年にわたって6000社の取材から検証されたもので説得力がある。私のような並みのコンサルタントでは足元にも及ばない。

先日、似たようなタイトルの本を手にした。「ニッポンを幸せにする会社」。
このような視点の本が増えてきたのは、経営に大きな変化が起きている証拠だ。

著者は医師で4億の赤字を抱える病院を立て直し20億の貯金を作った鎌田實さん。著書を手にしたのはこれが初めだが、その内容には正直参った。ドクターというよりも経営者の視点と世界の流れを見通した独自の考え方が広くて深くて、しかも分かり易い。

震災の被災者の姿を見て次のように書かれている。
・・・働き出すと希望も見えてくるし、元気が出てくるのだ。失業手当や生活保護で守るよりも、仕事をつくりだし、仕事を見つけ、仕事に就いてもらうことが何よりも生活と心のサポートになっていくはずだ。・・・・・・・・

坂本教授との違いは、取材先が中小企業も上場企業も取り上げられていることで、その共通点は「あたたかい資本主義」を実現している会社だ。
「あたたかい資本主義」は鎌田ドクターが提唱する世界で私は初めて知った。
しかし日本人が本来、目指していた世界ではないだろうか。

以下のように書かれている。
・・・・企業はモンスターではない。一人一人血が通っている人間の集合体なのだ。企業は強くなければ生き抜けない。だけど、企業は社員や顧客を幸せにしなければ存在している意味がなくなる。

今月の経営研究会では、この本を読み込んできてもらう事にした。
どのような感想が聞けるか楽しみである。

私自身はこの本で紹介されている「ヨーガン レール」の経営スタイルが好きだ。自然体で独自の世界を持っている服飾メーカーだ。