再構築は自分で取り組む

2012年8月26日

藤原直哉先生が示唆されていること

それは現実的なことで、普通の人達が取り組めることです。

書店に行けば、日本の崩壊、大恐慌の到来を取り上げたもので溢れています。
また、その脱出方法として資産防衛の事ばかりが目につきます。
海外へ生活拠点を移すことや、安全な資産運用によって、この危機を乗り越えようというものです。新聞の広告欄にも刺激的なタイトルの本の紹介が後を絶ちません。

しかし、それはできたとしても一部に限られます。多くの人達は防衛する資産すらないのが実情です。多くの人達が低賃金で働き、失業者も増えて、生活保護受給者の急増が問題になっています。申請者の事情はどうあれ、それが財政に大きく負担になっているのも事実です。

そしてこの資産防衛の処方には大きな問題があります。それは起きている事態に背を向けて、正面から立ち向う事にならないことです。
一時期をやり過ごす、またこの状況を利用して資産を増やすことに知恵を絞ることになります。もちろん、それも生き方ですから自由です。

避けられない崩壊なら、そのための再構築が必要です。再構築するには何が必要か、それが問われています。大本に戻って覚悟を決めて社会の再構築に、自ら取り組むしかありません。

中小零細企業の経営者は非常に行動的な人たちです。自由に発想し、自由に活動できます。国内の中小零細企業、個人経営を含めれば数百万人の経営者がいます。
人数に不足はありませんね。その人達が再構築に向かえば、その社員の皆様もまた、その道を進みます。

藤原先生の示唆されるもの

2012年8月25日

藤原直哉先生のメッセージ      平成24・8・24 NHK放送

「持続可能な経済社会とは」

Q:政治や外交の混迷が一段と広がっていますが経済はどんな状況でしょうか。

・短期的な変動はともかく、日本だけでなく世界全体が底なし沼の不況に向けて動いている。
・08年のリーマンショック後の政府の救援策がどこでも出尽くしになり、特に新興国ではバブル崩壊が本格化して経済に急ブレーキがかかり、それが先進国と資源国に不景気をもたらしている。
・今回の尖閣諸島、竹島の問題の裏にも経済の行き詰まりがある。国民の経済の不満を外にそらそうと言う思惑があるのは明らか。しかし経済の不況は容赦なく続き、リストラが世界中で広がり、失業者が増え、欧州でも金融財政危機は収まらず、食糧価格の高騰から貧しい国の運営は極めて難しくなりつつある。これが世界大恐慌の現実の姿である。
・日本でも2年後に増税するかどうか判断する法律がとおったが、赤字公債法案、景気対策のための法案は政治の混乱で通りそうにない。家電関係は激しい縮小の真っ最中。車も9月にエコカーの補助金が切れたら売れなくなるだろう。さらに中国韓国インド中東などでのカントリーリスクの急激な高まりにより、コストを下げるために、大きな市場を得るために外国に出ていけばよいという安易な経営はまったく成り立たなくなった。
・要するにこの20年間のグローバリゼーションの経済がいかに持続不可能な体制、破局を回避できない体制であるかが全世界で同時に明確になってきている。実は20世紀前半も同じだった。市場原理主義のような原始的な資本主義はもともと持続不可能な、破局を回避できない性質を初めから持っている。恐慌である。しかし恐慌は恐慌で終わらず、その後革命、社会主義国の誕生、二度の大戦、そして原爆投下と、まさに人類全体の破局寸前のところまで行った。我々はあの時と同じ間違いをまた犯しつつある。

Q:ではどうすればよいのでしょうか。
・改めて持続可能性の高い世の中というのは決してエネルギーのことだけではない。今の経済体制そのものが持続不可能、破局を回避できない性質を初めから持っている。今のグローバリゼーションの体制など20年で破局寸前まで来てしまった。20世紀のソ連の社会主義は70年しか続かなかった。そう見てくると今の右か左かの経済思想の中にも破局を回避できる経済の運営の答えはなさそうだった。
・実は政治や経済の基本は太古から何も変わっていない。人々の衣食住を、第1次産業を基礎に2次産業、3次産業を重ね合わせて発展させていくことだ。世の中のほとんどの人はその一生を都市や農村のなかで過ごす。だから都市や農村にそこに住む人たちを十分に吸収して、なおかつ地場産業や特産物として国内外に強みを発揮できる製品を作り出せる産業基盤を創る、それが本当の答えだ。
・自由貿易だとかグローバリゼーションだとかはこの地域ごとのバランスのとれた産業基盤をヨコにつなぐ働きをするものであり、今のようにそれがすべてになって、人がまるで流民のごとく国内外を行き来するのは、景気のよい時はよいが、今のように全世界で底なし沼の不況に陥ってしまうとシステム全体が破綻して、まさに破局が訪れる。
・日本に置いて破局を回避できる体制、持続可能な体制を創るには市場原理主義、行きすぎた自由貿易、グローバリゼーション、第1次産業の丸ごと外国頼みの振り子を、地域ごとの産業基盤の確立の方へ戻さないといけない。それに伴って政治や生活の体制も変えていかないとならない。
・日本の場合、これだけ衰退した地域を再生しようと頑張っている人たちが地域にいる。また本物の競争力を持った中小零細企業、個人事業主、そして個人も各分野でたくさんまだ国に留まって頑張っている。もちろんエネルギー、食糧のことを含めて日本の経済体制の再生は今バラバラになっているこういう人たちを破局を回避できる経済を再建するために集めてくるリーダーシップを整えることだ。
・結局今の経済体制が破局を免れないシステムだから、そのつけは結局政治に行き、財政赤字という現実を生む。財政が一方的に赤字になるのは民間の経済が実質的に破局に近づいているからだ。だから財政赤字を増税で埋め合わせようとすれば恐慌のさなかの増税で民間も政府も死んでしまう。
・日本は財政については増税は止めて、まず憲法62条が規定する国政調査権を使って福島第1原発事故で国会が設置した独立調査委員会と同じような組織を作り、日本の行政を財政を含めて隅々まで調べ直したらよい。そうすれば本当に再建可能な状況なのか。どこが機能していてどこが機能していないのかが明確になる。政府をどうするかは、一度行政を徹底調査してからでないと決められない。
・そしてこれらのことは今の役所や3党合意に突き進んだ政治家ができるとはまったく思わない。世論調査を見てもこの3党の政党支持率を足しても25%にも達しない。しかし今の政治は民衆の声に突き動かされる状況にある。だから民衆があちこちで大きな声を上げていけば政治は動かざるを得なくなる。それは2年前のチュニジアのジャスミン革命以来、世界に広がっている現象だ。

Q:日本経済は本当に再生するでしょうか。
・大丈夫だと思う。今の経済体制を支えている人たちは役所でも政治でも大企業でも外国の有力企業でもみんなこの恐慌で麻痺状態や事実上の破綻が広がり、自分たちの一日も長い延命だけしか考え、行動できなくなっているところが急速に増えている。
・その一方でそうした崩壊から離れたところに、日本は実力を持った人や組織が中小零細個人の形で結構残っている。ここを統合、融合させるリーダーシップが今までなかったから日本は再生しなかった。
・今までの体制が名実ともに壊れつつあるから、実力を持った人たちも今までの体制の中では仕事がなくなってきて焦り始めている。外交に出て行っても成功は難しい。まさに日本経済再生の機は熟したと思う。