インターネットは物を運ばない

2013年1月27日

インターネットは猛烈な勢いで進化していく。日常生活に深く関わって社会生活自体を変えて行く。 

インターネットは情報を世界中から運んできて、また世界中に運んでいく。それも時間と距離をゼロにしてしまう凄さだ。

 

だが、インターネットでは現物は運べない。商品や物を運べない。世界はおろか、目の前にあるテーブルから一ミリも運ぶことはできない。

 

災害地に物資を送るには車がいる。インターネットでは物が運べないのだ。自動操縦の車があれば移動は可能になるが、その車に乗せなければならない。

野菜は自分で車に乗ることが出来ない。災害地に野菜を送りたくてもインターネットでは運べない。

 

自力で動くことが出来ない物はインターネットでは運べない。 

野菜を効率よく届けるためにインターネットが使える。効率を良くすることはできる。 

無人操縦の探査機がある。武器として使われている。しかし探査機自体が無ければ飛ばすことはできない。宇宙衛星は最先端の情報と技術の塊だ。だが衛星本体が無ければ飛ばすことはできない。

 

結局、今のところ。人は物を創りだすことから抜け出すことはできない。

製造力では日本は勝てないというが、それは間違っている。

 

ものづくりが無ければ、どんな凄い情報があっても人は生きていけないのだ。

 

 

 

ドラマ メイドイン・ジャパン 

2013年1月27日

 

NHKドラマのタイトルだ。夜9時のテレビは見ないが、娘の話題に出てきたこともあって、たまたま見た。衰退する電気メーカーの再建劇で、日本の頭脳流出が競争力を失ったというものだ。 

企業は経営資源集中のために弱い分野から撤退する。撤退は凄まじいエネルギーを必要とする。だが極論すれば、それまでにかけた時間や経費とその処理にかかる資金、赤字を覚悟すれば済む話でもある。

ところが人件費をコストと考えると、解雇すれば一時的に利益が出るから解雇を再構築の手段に使う。

 

解雇はそれまでに育ててきた人材だ。頭脳や技術は一朝一夕には修得できない。だからこそ企業が時間をかけて人を育てたのではないか。目的と手段が入れ替わってしまう間違いを起こす。

 

その蓄積こそが企業の強みと言える。再構築は頭脳や技術から考えることだ。それは全て人が持っている。設備やシステムはそれを活かすためにある。元は人だ。経営者を含めて人が企業を支えている。

そこを解体すれば次の展開は一層難しいものになる。

 

会社更生法を適用して再建できる企業は50%を切るそうだ。銀行の経営指導は人員削減の一点にある。当然、再建は難しくなる。銀行は本当の意味で再建策を持たないのではないか。

 

頭脳や技術は組み合わせで新しい展開を可能にする。その時にイノベーションが起きる。日本の企業はそのようにして発展したはずだ。匠の世界では今もその心が活きている。いつの頃からか、この努力を捨て、即戦力を期待するようになった。

 

藤原直哉先生はずっと以前からこの状況が起きることに警鐘を鳴らされていた。

大企業の経営手法が間違っていると言い続けておられる。

現実に起きて初めて我々は理解する。当然、その時は傷みを伴うことになる。

 

 

黒字企業が減り続けている

2013年1月26日

昭和26年以来、60年間、黒字企業が減り続けている。  

 

国税庁の統計がある。企業団体の新聞が取り上げたものだ。

昭和26年は法人企業全体の82%が黒字だ。それが毎年黒字企業の比率が減少し、反対に赤字企業が増え続け、75%を占めるようになった。納税している企業は、法人の25%、4分の1しかないのだ。60年かかって逆転した。

 

この20年、企業の利益が減り続けていることは、TKCの分析資料からも分かっていたが、実は60年間にも及ぶことを知って正直驚いた。

 

昭和26年は、終戦後の混乱が尾を引いている時代で、各種の統計もようやくそろい始めた頃だろう。私が小学校に入学した時で、住宅が不足して小さな家に親戚を頼って二家族、三家族が住んでいた。小学校も午前と午後に分けて二クラスの授業があった。

 

その時の法人企業数は17万社。ソニーが創業5年目だ。

以来、日本は戦後の復興期で様々な分野で生産活動が勃興し、高度成長期に入り、オリンピックが開催され、新幹線が走り、全国の開発に沸き立った。やがてオイルショックで物不足が社会を混乱させたり、バブル経済に突入して、リゾート施設やゴルフ場開発に沸き立ち、米国のビルを日本が買いあさった。バブル崩壊から金融の混乱、銀行の破たんなど想像もしなかったことが起きた。失われた20年と言いう言葉が生まれ、デフレ不況と言われ続けてきた。

今、40代の働き盛り世代は社会人になって以来ずっと好景気を知らない。

 

社会の発展成長につれて経済活動も活発になり、多くの世界企業も生まれた。

だから経済面でいえば黒字企業が大量に生まれたはずだが、実際は好景気の時代も黒字企業は減り続け、赤字企業が増え続けたのだ。高度成長期もバブル期もそうなのだ。

 

法人企業は現在270万社だ。昭和26年の17万社から16倍になった。素晴らしい増え方だ。

だがこの間、赤字企業が増え続けた。少数の黒字企業と多くの赤字企業があるのだ。しかもその赤字企業は増え続けているのだ。 

高度成長期には建設業や土木が主役だった。物流もそうだろう。インフラに関する分野が活躍し、大きな成果を上げた。電力需要のためにダム建設が必要になった。

製鉄会社が活躍し、自動車産業が成長し、航空会社が生まれた。いずれも大きな設備と組織が必要だった。 

やがて住宅の量産化が多くの住宅会社を産み出し、小売業が企業化された。その後、更に周辺のビジネスが生まれ、サービス産業が増えて行った。 

時代の変化と共に産業構造も変わっていった。その時代ごとに大きな利益を得た企業もあり、同業でも経営に失敗して大きな損を出した企業もある。 

しかし黒字企業は減り続けている。赤字企業が80%に近づいている。好景気、不景気に関係なくそれが60年間続いているのだ。

 

人口はこの間、2倍になった訳ではないから、働く場所が16倍増えたことになる。この一点で見ると、企業規模が相対的に小さくなったといえる。小規模企業が増えたのだ。 

現在、法人数270万社のうち、中小零細企業が99%を占める。その企業の多くが赤字だと考えられる。

戦後67年経った。経済面では多くの赤字企業を産み出してきた。

 

何故、赤字なのだろうか。

構造的なものもあるだろう。規制もあるかも知れない。しかし経営は自己責任だ。自分の意志で起業する。起業に至る状況は違っても経営者になるという事は自分の決断だ。 

だとすれば経営の取り組み方に問題があるという事になる。

 

 

 

業績が悪い共通点

2013年1月19日

サービスの達人・ベルテンポの高萩さんのメールを掲載しました。

業績が悪い業界の共通点が見えてきます。それは身近にある課題を解決しないか避けて通ることです。

本当にデフレが問題なのでしょうか。少子高齢化が問題なのでしょうか。

(ここから高萩さんのメールを引用します。)

●タクシーの未来

偶然だと思うのですが、ここ数日、タクシー会社の方とやりとりさせて頂くことがあったので、タクシーについて書いてみます。 

・タクシー大好き

私、個人的にはタクシーが大好きです。

・ドアツードアである

・待つことなくすぐに乗れる

・プライバシーが保てる

・移動の時間に休める

・(渋滞がなければ)早い

 

タクシーが高い乗り物かどうかは意見が分かれるところですが、

費用対効果的には決して高くないと私は考えます。

 

そんなタクシーですが客離れが止まらない、法人の経費削減で苦しいという話を耳にします。

「これからの時代、 タクシーが生き残るには?」

ここ最近、多くの業界関係者の方から立て続けに意見を求められたのですが、

そんな大上段に構えなくても、「人々がタクシーに乗らない理由」は明確です。

 

たとえば、当社のお客様(お体に障害がある方)が「できるだけタクシーに乗りたくない」理由としてあげられるのが、

・車椅子だと、いまだに平気で乗車拒否

(私も何度も経験しています)

・止まってくれても、降りても来ない

(車椅子を自力ではトランクに入れられない)

・障害者割引をお願いすると露骨に嫌な顔をする

・運転が荒い

・意図的に遠回りされた

(私も先日経験しました、まだこんなドライバーがいるんだと)

 

先日も東京駅からお客様がタクシーで帰りたいとおっしゃられたので、あるタクシー会社に予約の電話を入れ、「車椅子なので安心して乗りたいから 黒タクを配車して欲しい」とお願いしたら、

 

「東京駅なら当社のタクシーがいくらでも いると思いますので直接どうぞ」と言われました。

確かにそれはそうなので、乗り場に行き、某社の黒いタクシーをみつけ(サービスが比較的上質と思われるので)「すみません、車椅子を乗せたいのですが」と尋ねると、思いっきり嫌な顔をして、「前から順に乗って」と言われました。

 

あれだけ感情豊かに嫌な顔をできる=客を選べるのも凄いなあと思いましたが、この運転手さん、1万円近い売上を「車椅子嫌い」で逃してしまいました。

近距離と思ったのでしょうか。

 

●私がタクシーに望むこと

障害の有無とは関係ありませんが、私がタクシーに望むことは、

・安心して乗れる「運転技術」

加速、減速、車線変更、停止位置

・車の清潔感

・ドライバーさんの清潔感

・声のトーン、声の大きさ

・案内の正確さ

・道路等の知識

逆に、今まで嫌な想いをしたこととして、

 

・しゃべり過ぎ

・知らなさ過ぎ

・臭い(体臭、タバコ)

・服装がだらしない

 

無精髭とよれよれのシャツは本当にご遠慮頂きたいです。出庫時に服装チェックはしないのでしょうか。

 

●タクシー会社さんへの提言 

東京ではあまり意味のない「A」「 AA」マークに替わり、(恐らく無理だと思いますが) 

ドライバーさん個人の評価をきちんとして、頑張るドライバーさんにしっかりとインセンティブが働くしくみを作るべきです。

ソウルなどに「優良ドライバーだけが入れるタクシー乗り場」がありますが、私は「アリ」だと思います。

特に女性は「おっかない」思いをしたら、タクシーそのものが嫌いになります。

当社のお客様も「タクシーは高いから乗らない」のではなく

「嫌な想いをしたから2度と乗らない」とおっしゃる方が多いです。

これは不景気や価格設定以前の問題です。

「21世紀のあるべき姿」を模索するより前に、経営者の判断で出来ることです。

 

●夢の提言

タクシーは全国ほぼ同じ形をしています。

クラウンコンフォートというのでしょうか。セダンタイプの4人乗車型。

昭和の時代からタクシーの「基本形」は変わらずですが、そろそろ「発想の転換」をしても良いのではないでしょうか。

トランクは多くの場合、プロパンのタンクが幅をしめていて、大きな荷物や大型ベビーバギー、車椅子などが乗らないことも多いです。複数のスーツケースはまず無理。

 

先日、イギリスを訪れた際、いわゆる「ロンドンタクシー」に乗りましたが、

・屋根が高い(快適)

・後部に5人まで乗車できる

(うち3人はジャンプシート)

・ジャンプシートを跳ね上げると

足元がとても広くなり大きな荷物が置ける

・助手席は荷物置き場になっている

 

そして、驚いたことにロンドンタクシーは屋根が高く、ドアの間口が広いので、スロープをかけて、車椅子のまま後部座席に入れるのです!

これぞ、ユニバーサルタクシー。

 

私は「車の形状」をゼロから設計しなおして、今、タクシーに求められている

「あるべきスタイル」を検討しても良いのではないかと考えています。

ヤマト運輸は、トヨタと共同で、ドライバーが作業しやすいトラックを開発しました。

凄いことです。

同じように「次世代型」タクシーをメーカーとタクシー会社で共同設計してはどうでしょうか?

 

・高齢化による、お足元の悪いお客様の激増

・車椅子や杖の利用客が安心して乗れる車

・ベビーカーの大型化

・スーツケースなどへの対応

・お客様の乗車定員4名→5名で利用機会増

10年後、日本のタクシーがまったく新しいスタイルの「市民密着型」サービスに進化していることを心から願っています。

今日は私の妄想メールレターになってしまいました。

おつきあい頂きましてありがとうございました。

(引用はここまで)

サービスの達人は問題の核心を見事につかむものですね。構造不況と呼ばれる業界の特徴は、お客の声を聴かない、または無視する。聞いても改革の努力を避ける。だからこそお客がいなくなるのでしょう。

サービスの達人は商品開発の視点も高いレベルにありますが、何かに的を絞ると、sの能力は他のことも自由に発想できるのでしょう。