中村 哲さん

2013年5月28日

 

 

ペシャワール会の事は耳にしていたが、その活動記録をDVDで観た。

昔からの治水技術を駆使した7年間の記録だ。総工費15億円は全て日本の人々の寄付だった。それを地元農民と、その知恵を使い、現地の資材を使い、日本の昔からの灌漑用水技術を結集したものだ。その結果、3500ヘクタールの農地を回復し、15万人の農民が農業に復帰した。広大な砂漠に用水路を建設して緑地化し、米や野菜が収穫できるようになった。

 

その一大事業を完成させたのが、中村哲医師だ。本業は医者だが、飢えには直接には役立たない。医療のその前にある食糧と水の供給こそが、この地域の命を守ることになるという決断だった。

 

そこには優れた経営者としての姿があった。砂漠に水を引くには遠くの川から水を引く用水路をつくるしかないが、現地の人を動かさなければならない。建設資材は地元にあるものを使うしかない。将来のメンテナンスを考えれば、最先端の土木技術は使えない。

全ては自分の手で作り上げなければならないのだ。土木技術も設計も全てだ。

 

不利な条件の中で、壮大な事業に取り組んで成功させた貴重な記録だった。

中小企業の経営者にとって、原点を考える稀に見る教材でもあった。

 

不況を嘆く前に、株や為替の動向に一喜一憂する前に、この環境を受け入れて自分の路を切り拓く事が先なのだ。

 

経営者の精神とはそういうものなのではないか。